黎明へ至る青

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第39話 九死に一生

日のあるうちは遮るもののない日射しが容赦なく降り注ぎ、日が沈めば日中の暑さが嘘のようにきつく冷え込む。そしてまた日が昇れば、夜の冷気を消し去るように太陽が照りつける。 風が吹き付ければ舞い上がった砂が視界を塞ぎ、時には目も開けられないほど...
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第38話 再出発

見渡す限りどこまでも広がる砂漠は、以前ウルティアで見下ろした海にどことなく似ている。 遮るもののない一面の砂に、足元で影が長く伸びる。風が吹きつければ砂が白く巻き上がり、背後で防砂林がざわざわと揺れる。 定まらない地平線の果てに丸い月が...
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A bargain is a bargain.

「……では、魔王パトリスがこのファウストの町に一晩宿泊したというのは事実なのですね?」 「は、はい……も、申し訳ありません、まさか彼が……いえ、あの者が魔王パトリスだとは、微塵も思わず……」 「無理もねえ、パトリスは見てくれだけ...
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第37話 魔人審問(後編)

「なっ、なんだって!? どうして……!」 「宿で部屋を取ってたら騎士たちが来て、フィロに魔人の容疑がかかってる、なんて言って……違うって言ったのに聞いてくれなくて、そのまま連れて行っちまったんだ!」 話しているうちに興奮してきた...
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第36話 魔人審問(前編)

薄紫色の髪がゆるやかに流れる背中とそれを追う小柄な背中が、突如として動きを止めた。 不思議に思いながらも二人に追いついて、アサレラはその理由を知った。 「……エルマー? 旅立ちの許可はもらえたのか?」 問いかければ、エルマーは...
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第35話 同情

「では、食事を終え次第レヴィンへ向かいましょう」 「レヴィン……って、サヴォナローラとの国境の町……だよな」 食事を進めるうちに、アサレラの気持ちはいくらか凪いでいた。 「ええ。砂漠を越えるために必要なものは、ドナウよりも...
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第34話 追憶

外へ出ると、目の前の通りを人々が賑わしく行き交っている。アサレラが宿の裏手へ回ると、エルマーも黙ってついてくる。 賑やかな声や行き交う足音が遠くなる。少し開いた勝手口の扉からは、炊事の煙がたなびいている。 「エルマー王子。聖王国は、...
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