第四章 星の名も知らずに

黎明へ至る青

第40話 オアシスの町

元気づけようとしているのか、デシレーはしきりにリューディアへ話しかけている。 話すことを禁じられたリューディアの代わりに受け答えをするのはエルマーだ。嘘が露呈したときにうまく取りなすつもりだろう、ロモロは少し後ろから見守っている。 ...
黎明へ至る青

第39話 九死に一生

日のあるうちは遮るもののない日射しが容赦なく降り注ぎ、日が沈めば日中の暑さが嘘のようにきつく冷え込む。そしてまた日が昇れば、夜の冷気を消し去るように太陽が照りつける。 風が吹き付ければ舞い上がった砂が視界を塞ぎ、時には目も開けられないほど...
黎明へ至る青

第38話 再出発

見渡す限りどこまでも広がる砂漠は、以前ウルティアで見下ろした海にどことなく似ている。 遮るもののない一面の砂に、足元で影が長く伸びる。風が吹きつければ砂が白く巻き上がり、背後で防砂林がざわざわと揺れる。 定まらない地平線の果てに丸い月が...
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