星月光

序章 光輝の手は復讐のために

第2話 聖者

アサレラはコーデリアの地を歩いていた。 アサレラの購入した黒いマントにはフードがついているので、ひと気のある場所ではそれをかぶることにした。重装で身を守りながら戦うのは、やはりアサレラには合いそうもない。 王都オールバニーを北上するとラング...
黎明へ至る青

第1話 銀の髪の剣士

重い頭が左右にふらつくのを、アサレラは感じていた。 「どうだい、兄さん。そのヘルム、古代のウルティア兵が使っていたというものだよ」 アサレラの頭部をすっぽりと覆う兜は確かに頑強だが、その分だけ鈍重である。 視線をあげた矢先に目を射る初秋の澄...
黎明へ至る青

プロローグ

先ほどまで地上を赤く照らしていた太陽はすでに西へ傾き、空には夜の闇が満ち始めていた。 星のひとつも見えない暗い空の下を、銀髪を振り乱して青年が駆けて行く。 呼吸は乱れ、瞳が焦燥に歪む。激しい長距離走行に音をあげたブーツの底が半分以上めくれか...
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ゲーム

【星のカービィ2】100%クリアへの道

深夜にふと「ドットのカービィをやりたい!」という衝動にかられ、3DSのVCで「星のカービィ2」をダウンロードしました。 ナンバリングは2ですが、シリーズでは3作目です(2作目はFCの「夢の泉の物語」) 次は初代か夢の泉をやりたいです。 Ne...
短編

償いの白薔薇

その人が店を訪れるのは、決まって二十四日の夜だった。 雨の降りしきる日は革靴のつま先を濡らし、風の止まない日は髪を乱し、雪のちらつく日はスーツの肩を白くし、その人は狭い店内へ規則正しい靴音を響かせる。 そして今日もまた。 軽やかな鈴の音が鳴...
短編

愛しい気持ちを照らす夕日

郁に手を引かれて、どれほど走っただろう。 目を射る西日に視線を動かす。沈みかかった夕日は稜線をくっきりと浮かび上がらせ、川の水面に金色の光をキラキラと落としている。すぐにでも越えられそうな低い欄干が鈍い光を放ち、わたしの焦りを追い立てる。も...
短編

どぜう

夏祭りでドジョウをすくった。 赤いヒレを水中で揺らめかせる金魚は確かに妖艶だが、わたしは他の女子たちの後追いをしたくはなかった。たとえこちらにそのつもりがなくても「歩美ちゃんの真似っこ!」などと囃し立てるに違いない。 会場の一角でドジョウを...