第二章 運命の車輪 第26話 逃げ場のない風が烈しく渦巻き、小聖堂が内側から悲鳴をあげる。 当然、その渦中にいるアサレラへも暴風は容赦なく襲いかかり、骨を砕かれるような痛みが全身に走る。 吹き荒れる風の唸り、軋む建物の音、盗賊たちの叫喚。それらが重なり合い、異様な歌... 2020.07.05 第二章 運命の車輪黎明へ至る青
第二章 運命の車輪 第25話 フィロを背にかばい、アサレラは扉を塞ぐように立つ男たちへ視線を走らせた。 この男たちがマドンネンブラウ騎士の言っていた盗賊なのだろう。まさか魔物よりも早く遭遇することになるとは思いもしなかった。闇の中へ浮かび上がるいくつもの剣が光を放... 2020.07.05 第二章 運命の車輪黎明へ至る青
第二章 運命の車輪 第24話 リューディアもマドンネンブラウへ向かう道中であったらしく、一行はともに国境へと向かうこととなった。 「聖者さんたちがいてくれてよかったぜ」 軽い足取りで先頭を進むリューディアは、当初は商人の護衛として国境越えを目指していたら... 2020.07.05 第二章 運命の車輪黎明へ至る青
第二章 運命の車輪 第23話 パレルモを発ち、聖王都ドナウへ向かう道すがら、アサレラはロモロの背中に問いかけた。 「ロモロさん、よかったんですか?」 先頭を行くロモロが肩越しに振り返った。 「なんのことかな、アサレラ殿」 空一面を覆う雲の奥に、太... 2020.07.05 第二章 運命の車輪黎明へ至る青
第二章 運命の車輪 第22話 四人掛けの卓を囲むアサレラたちを、不穏な静寂と料理の香りが包んでいる。 たちというのは、フィロとロモロ、そして、例の神官だ。 周囲の客が聖者様が聖剣を抜く瞬間に立ち会えてよかっただの、あの剣士はどこかで見たことがあるだのと... 2020.07.05 第二章 運命の車輪黎明へ至る青