星月光

第二章 運命の車輪

第25話

 フィロを背にかばい、アサレラは扉を塞ぐように立つ男たちへ視線を走らせた。  この男たちがマドンネンブラウ騎士の言っていた盗賊なのだろう。まさか魔物よりも早く遭遇することになるとは思いもしなかった。闇の中へ浮かび上がるいくつもの剣が光を放...
第二章 運命の車輪

第24話

 リューディアもマドンネンブラウへ向かう道中であったらしく、一行はともに国境へと向かうこととなった。 「聖者さんたちがいてくれてよかったぜ」  軽い足取りで先頭を進むリューディアは、当初は商人の護衛として国境越えを目指していたら...
第二章 運命の車輪

第23話

パレルモを発ち、聖王都ドナウへ向かう道すがら、アサレラはロモロの背中に問いかけた。 「ロモロさん、よかったんですか?」 先頭を行くロモロが肩越しに振り返った。 「なんのことかな、アサレラ殿」 空一面を覆う雲の奥に、太...
第二章 運命の車輪

第22話

 四人掛けの卓を囲むアサレラたちを、不穏な静寂と料理の香りが包んでいる。  たちというのは、フィロとロモロ、そして、例の神官だ。  周囲の客が聖者様が聖剣を抜く瞬間に立ち会えてよかっただの、あの剣士はどこかで見たことがあるだのと...
幕間1

Uneasy lies the head that wears a crown.

 魔王パトリスは聖剣レーゲングスの下に散った。  魔物の脅威は去り、イーリス大陸の未来は明るいものとなるだろう。  だというのに、アサレラの心は晴れなかった。 「アサレラ殿」  目の前に聳える塔を茫然と見上げていたアサレラは...
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