黎明へ至る青

序章 光輝の手は復讐のために

第4話

 薄闇の中でさらに暗く、連なる山々の稜線が浮かび上がっている。  アサレラはマントをなびかせながら、足下にまとわりつくスライムの集団を斬って捨てた。  この辺りはひと気がないので、夜になるとおそろしいほどの暗闇に覆われる。幸い今夜は月が...
序章 光輝の手は復讐のために

第3話

 セイレム村に残されたのは、焼かれた地面へ倒されたすすけた木と、積み重なった瓦礫であった。  やはりというべきか、焼け爛れた死骸は片付けられている。村の中を進むアサレラの影が、足下で濃く長く伸びる。  西へ傾いた日は、すべてを赤く染め上...
序章 光輝の手は復讐のために

第2話

 アサレラはコーデリアの地を歩いていた。  アサレラの購入した黒いマントにはフードがついているので、ひと気のある場所ではそれをかぶることにした。重装で身を守りながら戦うのは、やはりアサレラには合いそうもない。  王都オールバニーを北...
序章 光輝の手は復讐のために

第1話

 重い頭が左右にふらつくのを、アサレラは感じていた。 「どうだい、兄さん。そのヘルム、古代のウルティア兵が使っていたというものだよ」  アサレラの頭部をすっぽりと覆う兜は確かに頑強だが、その分だけ鈍重である。  視線をあげた矢...
序章 光輝の手は復讐のために

プロローグ

先ほどまで地上を赤く照らしていた太陽はすでに西へ傾き、空には夜の闇が満ち始めていた。 星のひとつも見えない暗い空の下を、銀髪を振り乱して青年が駆けて行く。 呼吸は乱れ、瞳が焦燥に歪む。激しい長距離走行に音をあげたブーツの底が半分以上...
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