どうも星月です!
5月に「勇者と王子のダブルステッチ」が無事完結したため、裏話的な後書きとキャラ語りをしていきたいと思います。
きっかけ
「勇者と王子のダブルステッチ」はTapNovelの第1回タテ読みカラー漫画シナリオコンテスト用に考えた作品です。
募集テーマ
憎しみと愛
ターゲットは28~40歳の女性。
不倫もの、復讐もの、毒女・女性主人公の異世界系などジャンルは問いません。
募集テーマはともかく、ターゲットで非常に頭を悩ませました。
なぜなら星月は女性向け作品とは無縁の人生を送ってきたからです。
なので無料のWEB漫画などを読みあさり、かつて母が観ていたドラマの内容を思い出しつつ、コミカライズしやすそうな感じの作品を考えました。
そして「異世界転移ものってよくあるけど、そこで初めて出会うのがめちゃくちゃ嫌いな男とうり二つの人だったらおもしろいかも」と思いつきました。
第一話を書いた後、女性向け作品有識者の友人に意見を聞いたところ「おもしろいよ、いつもの星月って感じだね」という言葉をいただきました。
……いつもの星月だったら女性向けになっていないのでは!?
と思いつつ、締め切りギリギリだったのでそのままいきました。こういうことがあるからギリギリで生きる人生はやめたほうがいいぞ!
あと参考にした作品のせいか「pixivcomicにありそう」とも言われました。
タイトルについて
毎回毎回、タイトルを考えるのが苦手なんですよね。サブタイトルを考えるのも苦手です。
本作に関しては「とりあえず仮で付けとくか。あとでいいのが思いついたら変えよう」と思っていたのですが、変更案が思いつく前に〆切が来てしまいました。
こういうことがあるからギリギリで生きる人生はやめたほうがいいぞ!
まあでも作品内容を表すタイトルにはなっているんじゃないでしょうか……いちおう……たぶん……。
キャラ語り
マリー
名前の由来はバスク神話の女神マリより。
リュテス人たちがマリーと長音付きで呼んでいたのは、アントワネットを連想させてリュテスのフランスイメージを強化させようという安直な考えです。
ゲームが大好き。好きなジャンルはRPGとSRPG。アクション系も好きだけどうまくはなさそう。パズルや謎解きは意外と得意。
本当は家事全般が苦手ですが、高校生の妹に家事やバイトをさせたくなくて頑張ってました。
好きな食べ物は豚骨ラーメンとカツカレー。どちらもリュテスにはないでしょうね。現代フランスにはある……のか?
現代日本人なので、リュテスの男尊女卑に猛烈な反発心を抱いています。「慎ましくて家庭的」というリュテスの模範的女性像にまったく当てはまらないため、リュテスでは相当な変わり者扱いをされていますが、本人は一切気にしていないと思います。
番外編で妹の舞花にミシェルともども「恋愛経験値が中3レベル」とこき下ろされていましたが、これでも自作品の長編主人公の中では一番マシです。他がひどすぎるだけとも言える。ついでに作者よりもマシです。作者より頭のいいキャラは書けないとよく言われていますが、作者より恋愛レベルが上のキャラは書けるということが立証されてしまいました。
ミシェル
名前の由来は大天使ミカエルのフランス語読み。
王の庶子、金髪、控えめでおとなしい性格、嫡子である年下の異母兄弟がいる、自分の恋愛感情を秘めたつもりでいるが身内にその恋愛感情を暴露される、恋愛に奥手でもじもじしがちと、「魔道士は虹色の夢を見る」のミモザと類似点がいくつかありますが、これは意識したわけではありません。マジで。あと「わがままも大概にされよ/なさいませ!」と言われたところも同じですね。ミシェルは生まれも育ちも王宮で、父王に愛されて王位継承権を認められているという点は異なります。
マリーへの想いは全員に気づかれていましたが、本人は隠せていると思っていたようです。バカです。
「主人公に恋をする」というのはプロット時点で既定路線でしたが、故郷に帰りたがるマリーに対して暴走したり病んだりしたらマジでどうしようと思っていたのですが、最後まで常識的で優しい青年だったのでよかったです。いや「魔道士は虹色の夢を見る」の経験がさ……。まあミシェルのそばにはリゼットもクレールもいますしね。
裁縫や料理が好き。リュテスの模範的男性像にまったく当てはまらないことを気に病んでいましたが、マリーと出会ってあまり気にしなくなったんじゃないでしょうか。
作中で一番成長したキャラかもしれません。第一話のミシェルはとてもじゃないけどリュテス軍の指揮官なんかできなかったでしょうし。繊細で臆病な青年が剣を取って戦うシーンを描くの、楽しかった~!
ちなみにリュテスはルテティア(パリの旧名)のフランス語読みです。
リゼット
「マリーが異世界で奮闘する理由」かつ「ミシェルが素を出せる相手」として考えました。
恋愛であまりドロドロさせたくなかったため、ミシェルの従妹ということでマリーの競合相手ではないということを強調させました。
本人の気質的に恋愛にはまったく興味がなさそうですが、たとえば「ミシェルの幼なじみ」とかにすると作者の意図とか関係なく勝手に三角関係を形成されそうなので……。これは「魔道士は虹色の夢を見る」から学んだことです。なぜなら、シグバート・ミモザ・ノエルの三角関係にかなり困らされたからです。
普段はミシェルのサポートに徹していますが、いざというときは矢面に立ちます。
宮廷魔導師の中で一番の魔力の持ち主ですが、フィロメナ出身、女性、国王の庶子の従妹という三点でかなり侮られていました。本編の後は実力が認められるんじゃないかなと思います。
裁縫と料理がとても下手。裁縫や料理をせざるを得ないとき、こっそりミシェルに頼んでいたらおもしろいですね。
クレール
序盤は影が薄かったですが、マリーとともに日本へ転移する第6話以降はけっこう活躍しました。
王太子、非常識な主人公へのツッコミ役、回復魔法使い、10代という点で「黎明へ至る青」のエルマー、「魔道士は虹色の夢を見る」のシグバートと共通点がありますが、これも意識したわけではなく偶然です。マジで。
普段はクールですがいろいろ溜め込む性格のようで、番外編では絡み酒になっていました。
伊達
作中では名言しなかったのですが、ミシェルの双子の兄弟です。
現代人の価値観では、17歳と付き合う25歳はやっぱりヤバいと思います。昔のバ先で、高3女子(18歳)を狙う大4男子(22歳)がみんなに気持ち悪がられていた思い出がよみがえります。当時の上司は「年齢差は±3じゃないとジェネレーションギャップで話が合わない」と言っていました。いや8歳差でも大人同士ならいいとは思いますけどね。
最後は「悪いことをしたら償いをしなきゃ」と言って連行されましたが……どうなったんでしょうね?
トビアス&マイカ
ガンディア組。
プロット段階のトビアスは紹介文のとおり残虐で冷酷な男だったのに、なぜこうなったのか? まあ戦争が終結したからいいでしょう!
マイカはマリーの妹なので、ああ見えてけっこう破天荒で毒舌です。そして高校生な分、周りがあまり見えていなかったり自分本位だったりもします。そのおかげで14話では事態が好転したので、悪いことばかりではないと思います。たぶん。
ユーグ
プロットにはいなかったのですが、やっぱり主人公のライバルポジションというか、意見や思想が対立する人物が必要だなと思って考えました。邪魔ばかりしていましたがいちおう最後は役に立ったし、人質になったときマリー&クレールに見捨てられたし、処刑はされなかったけど魔力は制御されているしで、ヘイトは消化できたんじゃないでしょうか……たぶん。罪に見合わない過剰な制裁を加えてしまうと、それを許す主人公サイドの格も落ちますしね~。
ミシェル&リゼットと同じ画面にいると、髪色が春のパステルカラーっぽくてかわいい。話の内容は大抵不穏でしたが。
その他サブキャラ
騎士団長ヴァレリーは途中(確か7話)からネームドに昇格しました。まっとうかつ実直な人です。まともすぎて語ることがありません。年齢はユーグより上だと思います。
ミシェル&クレール兄弟の父ジェラールはもっと出番がある予定だったのですが、結局1話のみでしたね。いちおう話題には出されていましたが。番外編でクレールに王位を譲って退位したので、ゆっくり療養できるんじゃないでしょうか。帝国との戦争も終わりましたし。
イーリャ&エグスキはバスク語でそれぞれ月、太陽です。男女の双子にする予定でしたが、姉妹のほうがマリー&マイカと対比になるかなーと思い変更しました。
おまけ
サイトの分類なのですが
言うほど恋愛要素あったか?
「魔道士は虹色の夢を見る」のほうが恋愛要素多くないか?
……主人公絡みか否かってことで!