第一章 聖剣を継ぐ者

黎明へ至る青

第21話 罪と約束

「…………抜けた……」 アサレラが白い光を湛える剣身を呆然と眺めていると、紺色のローブの裾を揺らして神官が駆け寄ってくる。 「なにを呆けているのです! 早くその方を治療しなくては!」 背負った杖を手に取る神官がミーシャの傍...
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第20話 エステバン杯(後編)

――パトリスだと……!? ばくばくと拍動する胸の底で魔王の名が反響する。 平穏だった大陸に魔物が跋扈していることが魔王復活の兆候といえど、魔王そのものを見た者はいなかった。少なくともトラヴィスはそう語っていた。ローゼンハイムの民は破...
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第19話 エステバン杯(前編)

フラウィウス闘技場の内部は、試合を待ち望んでざわめく観客たちの熱気で蒸されている。 アサレラは観客席を見上げた。最下部の平らな部分――アリーナをぐるりと取り囲むような観客席は四階建てになっている。 これ以上見上げていたら首が痛くなりそう...
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第18話 人たるに値するもの

イスベルが優雅に立ち去ったとき、フィロを伴ったロモロが戻ってきた。 「待たせたな」 夕日の中に佇む二人はまぶしく、アサレラは目を眇めた。 「い、いえ。……リューディアは?」 「宿に行くと言っていた。明日、試合でまみえるか...
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第17話 素性

裾のすり切れた、明るい色合いの外套。ごく簡素で動きやすそうな旅装。まったく飾り気のない皮製の胸当ての上へきらきらと透き通った葡萄色の光を落とす首飾りが、いやに装飾的で目を引いた。 もしかして、とアサレラは目を眇める。おれたちを外国人と見て...
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第16話 覚悟を問う

あれから何匹か魔物に遭遇したが、すべてロモロが片付けてしまった。 魔物を確実な一撃で葬るロモロの動きは、流れるように無駄がない。 有り体に言えば、アサレラの出る幕はまったくなかったのだ。 「……ロモロさん、って、すごく強かった...
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第15話 起伏

ウルティアの地は起伏に富み、固い凹凸がブーツ越しに足裏を押し上げる。 天頂の太陽に照りつけられる山肌は岩のようで、土と緑に覆われた故郷の山とはずいぶん異なる。 額の汗を拭い、アサレラは足を止め振り返った。 「ロモロさん、フィロ、だ...
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