第一章 聖剣を継ぐ者

黎明へ至る青

第14話 出発

寝台へ横臥したアサレラは、目を閉じながらも眠っているわけではなかった。 もともと眠りが浅いせいで、なかなか寝入ることができずにいるのはアサレラの常だ。 だが今、アサレラが眠れずにいるのは、おのれの短慮に苛まされているためだ。 ――...
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第13話 失敗

女性の目は、まっすぐロモロを見つめている――ということは、ロモロの知り合いなのだろうか。 アサレラは、ひそかに拳を握りしめた。 彼女の素性がどうであれ、すぐ背後に立たれて気がつかないなど、剣士の恥さらしである。 思い返せば、当初からお...
黎明へ至る青

第12話 分岐点

ロモロは、アサレラのグラスが空になると、すかさず注ごうとする。アサレラが遠慮しても、親しみ深い笑顔とともにアサレラの警戒心をほどいてしまう。 注がれるままに飲み干していった結果、アサレラは、これが何杯の葡萄酒なのかわからなくなっていた。 ...
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第11話 名前

「…………え」 一拍遅れて言葉の意味をとらえ、アサレラは伸ばしかけた手を止めた。 ロモロの口調は質問ではなく確認だった。 それらしき振る舞いをした覚えは、アサレラにはない。だというのに、アサレラの正体をどこで確信したのだろうか。 ...
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第10話 残光

空の色が赤い。 地平線の果てへ没する太陽と、大地を包む業火のために。 燃えさかる輪が空中で絶え間なく回転し、無数の炎を雨のごとく地上へと降り注いでいる。 背後から迫る炎の渦から逃れるべく、アサレラは走った。 どこへ向かっているの...
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