シグナル

どうも星月光です。

シナリオセンターの即興課題で、ペラ5枚分の短い脚本を書いたので掲載します。

テーマは研修科の課題にもある「別れの一瞬」です。

読み返してみたら説明不足のところがあったので、少し加筆しました。

なので行数に換算すると5枚分より若干多くなっているかもしれません。

 

シグナル

○交差点(夕)

歩行者信号が点滅する。

スーツ姿の男女が行き交う。

スーツ姿の白石律(25)、通行人のあいだをすり抜け、急いで横断歩道を渡ろうとする。

一歩目で信号が赤に変わる。

苛立たしげに信号を見上げる律。

律、一歩下がり、背後を振り返る。

早瀬の声「律! 待てよ、律!」

人混みをかき分け、スーツ姿の早瀬周(25)が現れる。

律、苛立ちの表情。

律「なんのつもり、周。私言ったよね、二度とそのツラ見せないでって」

早瀬「俺が悪かった、だから機嫌直してくれって、な?」

早瀬、鞄からクリアファイルを取り出す。

早瀬「律の言ったとおり書いてきたんだ、ほら」

律、クリアファイルを受け取る。中には4枚のプリント。

プリントをめくる律。だんだんその表情が険しくなっていく。

早瀬「俺のどこが悪かったのかとか、今後の心構えも書いたし……」

伺うように律を見る早瀬。

律「よく書けてるね」

ほっとした表情の早瀬。

早瀬「だろ!?」

律「大学で習わなかった? 引用するときは参考文献に載せろって」

ぎくりとする早瀬。

律「わかっちゃうんだよね、コピペした文章って。職業柄ってやつ」

律、クリアファイルを早瀬に押し返す。

信号が青になる。

歩き出す律。慌てて追う早瀬。

早瀬「律が怒るのもわかる、けど俺だって」

律、振り返らずに、

律「怒ってないよ。周にもあの人にも」

踏切の警報器の音。

律「二人の女のあいだでフラフラするバカを信じてた自分の間抜けさに腹が立つだけ」

表情を強張らせる早瀬。

警報器の音が止む。

律「今度こそさようなら。早瀬周さん」

走り出す律。

はっとして手を伸ばす早瀬。スーツの男性に腕がぶつかる。顔をしかめる男性。

走る早瀬。律、踏切の先にいる。

警報器が鳴る。遮断機が下りる。

踏切の先を見る早瀬。

律、一瞬早瀬を見、去って行く。

電車が通り過ぎる。

踏切の先に律の姿はない。

(完)

 

後書き

作中にはまったく出てきませんでしたが、律は塾の講師です。早瀬は同じビルのIT系の営業。

早瀬が書かされたのは反省文です。フォントサイズ大きめで行間広めにしてページを稼いでいます。

「そう言うけど女心は追いかけてほしいんだろ?」「そうやっていつも性別のせいにして私の言葉に向き合わなかったよね」的な会話を入れたかったけど、尺がまったく足りませんでした。

シナリオ
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