PSP版「街~運命の交差点~」というゲームを買いました。
最初にタイトルだけ聞いたときはシムシティ的なゲームかと思っていましたがサウンドノベルでした。
舞台は渋谷、8人の男女とそれを取り巻く人々の5日間を描いた群像劇です。
主人公Aの些細な選択が主人公Bの人生を大きく変えることになる……というような、いわば風が吹けば桶屋が儲かる、バタフライエフェクトを体現したゲームです。
1つのゲームでコメディ・サイコ・ハードボイルドなど毛色の違うシナリオを楽しめるのでお得です。
以下、メイン8人のシナリオの感想です。
牛尾政美編「THE WRONG MAN 牛」
俺はアナゴ飯が好きだな
元ヤクザの牛尾政美が宝石強盗に巻き込まれ、自分にそっくりな役者と成り代わることになる話。
馬編とセット扱いのためか、牛編と馬編は3日で終わります。
馬と違い、走るのは苦手なようです。
3日目で馬編・牛編の両方で正しい選択をしないといけない場面は少し手間取りました。
すれ違い続けた分、2人が邂逅を果たすシーンは感動します。他の主人公たちは出会ってしまうと基本的にバッドエンドな分、余計に。
ラストは……「マジでみちるさんにプロポーズするの? マジで!?」と思いました。綾さんのこと吹っ切るの早くない?
キャベツ男エンドが好きです。
馬部甚太郎編「THE WRONG MAN 馬」
おいお前、そこのテーブルわらえ
売れない役者の馬部甚太郎が、自分にそっくりな宝石強盗のヤクザに間違われてしまう話。
失敗すれば命がなく、一世一代の大芝居をすることになる馬編はプレイしていてハラハラします。
牛と馬は同じ役者(松田勝氏)が演じていますが、ちゃんと牛と馬の区別がつくのがすごい。
るい子さんとのあれこれでの「恐れ入ります」には笑いました。
場面転換での馬のいななきが好きです。
恋人は心変わり(?)するわ、白峰組の次期組長にさせられそうだわ、「街」で一番の不幸主人公。
細井美子編「やせるおもい」
ヨ・ウ・チ・ヤ・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ア・ン……
恋人から「5日間で17kg痩せなければ別れる」と言われてしまい、ダイエットに奮闘する話。
なんでもありのシナリオ、コメディの中に垣間見えるブラックさ。市川編よりこわかったです。悪魔のようちゃんとか、肉のようちゃんとか。
デブデブ言われてましたが、あれだけ食べて64kgっていうのはすごいと思う。100kg超えでもおかしくない。
無理なダイエットが祟ったのか、4日目と5日目はかなり崩壊しています。
薫はほんといい子。でも謎が多い。二重人格なのか、そっくりさんなのか? 続編が出れば謎も解けたんだろうけど。
4日目で牛馬青ムシ以外の主人公をまとめてバッドにする選択肢があります。美子の選択が地球を救った。街の主人公みんな60kg以上ありそうだけど。青ムシは微妙なところ。
美子は月曜日といいジェロニモといい、妙な男に好かれますね。
最後はいちおうハッピーエンド。
飛沢陽平編「で・き・ちゃっ・た」
まさか四人目は出て来ないよね……
学校一の人気者で女好きの高校生が三股をかける話。
あの3人の中で陽平と一番性格が合いそうなのはユキだろうなぁ。ただ失踪して黙って産んだのに結婚を迫るユキの行動はちょっと……と思ってしまう。
でも一番悪いのは陽平です。未成年のくせにパチンコするわ飲酒するわ!
亜美ちゃんはヤンデレ扱いされてるけど、陽平がまともならいい子だと思います。美奈子ちゃんは青ムシをビンタしたところが好き。気の強い美人……いい。
陽平はあの後組長にしばかれそうだな……と思ったけど、組長は子どもの父親を殺すことはトラウマになっているかもしれませんね。
陽平編で一番好きなバッドは男色エンドです。女好きの陽平を目覚めさせる隆士やばくないですか?
篠田正志編「七曜会」
七曜会って、七妖怪のことですか?
謎の組織「七曜会」の金曜日として脅迫に手を染めることになる大学生の話。
カマンベールのTIPSが好きです。チーズ。
日曜日→正志→水曜日の一方通行なのか?
サギ山編を見ると、水曜日はサギ山とは可能性があるけど正志のことは眼中になさそうです。
東京タワーエンドは最初気づきませんでした。陽平が亜美ちゃんをスルーしてミカレと行動→青ムシが陽平を追う→脅迫相手の青ムシが来ない……と、序盤にしては入り組んでます。
日曜日を追い詰めたところがクライマックスで、オチは……。
市川文靖編「シュレディンガーの手」
いいインディアンは死んだインディアン!
寝ているあいだに俗悪な脚本を書いてしまう作家の話。
精神的に不安定で、蜜柑が転がってきただけで死ぬ。蜜柑は未完成の隠喩なのか?
市川が天に召されるときのBGMが好きです。
間違い電話への対応や「小人ちゃんブラザーズ」発言から見るに、根はユーモアある人なのかもしれません。
美子の次ぐらいに他主人公をバッドにしている気がする。
昔の恋人である晶子さんに膝枕を頼むシーンで胸が痛くなりました。愛に飢えてるねえ……。
市川編では頼りになる木嵐プロデューサーですが、他のシナリオに出てくると高確率でバッドになります。これだっ!
小人はいたのかいないのか、左手はあるのかないのか、生きているのか死んだのか、すべてはシュレディンガー。
高峰隆士編「迷える外人部隊」
俺は死に場所を捜していたのかもしれないな
フランス外人部隊に身を置く高峰隆士が、3年ぶりに戻って来た渋谷を徘徊する話。
隆士は情緒不安定なので見ていてヒヤヒヤします。戦いには強いんですけどね。
テキストが少ないのですぐ1日が終わる。
晶子さんと高校時代に付き合ってたそうですが、晶子さん男運なさすぎ。晶子さんは市川にはわりと優しいけど隆士にはきつい。
陽平男色エンドといい本編ラストといい、高校生相手だと油断するのだろうか。
結局最後は死んでしまったのでしょうか?
雨宮桂馬編「オタク刑事走る!」
ルルスボ・サケム!
たぶん街のメインシナリオ。コーヒー牛乳。
「あまみや」ではなく「あめみや」です。
アナグラムは勝手に解いてくれるし、バッドエンドも渋谷爆破エンドが多いので、進めていく楽しみは他のシナリオのほうが上でした。
犯人入力のバッドエンドはおもしろかったです。……オモシロカッタ
桂馬編をやってるときは全然思わないけど、他シナリオに桂馬が出てくるとけっこう嫌な奴に思えますね。馬ちゃん編とか。
ヌマさんのフルネームが思い出せなかったので焦りましたが、「ぬまさん」でも通りました。