有川浩「塩の街」感想

どうも星月です。

積読が文字通り山のようになっているため、少しずつ解消していきたいと思います。

第一回は友人に借りた「塩の街」です。

Bitly

 

あらすじ

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが―「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。

amazonより引用

 

感想

表紙やタイトルのイメージに反してライトな文面なのでサクサク読めますが、出だしで硬派なSFものを期待するとおそらく拍子抜けするのではないかと思います。

というのも、上記のあらすじと一章の印象で「人が塩になっていく世界で生きる人々の葛藤」「破滅に向かう退廃的SF」みたいな物語だと思っていたのですが、どちらかといえば主軸は恋愛です。

二章あたりで「……ひょっとしてこれ恋愛ものなんじゃね?」と疑念を抱き、三章で確信しました。これはまごうことなき恋愛種族値10ですわ。

そもそも本の半分が「塩害をもたらす元凶を倒したその後の世界」すなわちメイン二人の恋愛話ですからね。

ノブオは登場した瞬間からあきらかに当て馬でかわいそうですね。「塩の街」に限ったことではないのですが、メインカップルより当て馬に感情移入してしまうんだよな~。私が逆張り体質なだけか?

 

ラストバトル

いかに危険な任務であるか、悲壮な二人の覚悟が語られていたため、ラストバトルはいったいどうなるのだろうとわくわくしていたら、戦闘機の見開きの挿絵で終わってしまいました。

※画像はイメージです

「え、終わり!? 勝ったの!?」と思いましたが、バトルものじゃないからこれでいい……のでしょうか?

それにしたってもう少し戦いの描写を見たかった気もします。

 

まとめ

サクサク読めるSF風恋愛小説です。

SF要素はあくまで恋愛要素を引き立てるエッセンスなので、恋愛に重きを置いて読んで楽しむのがよいかと思います。