どうも星月です。
ちまたで噂の小説自動生成AI「AIのべりすと」を使って短編小説を書きました。
プロローグ
星座アプリと空を何度も見比べながら、星谷天音は昼休みにセッティングしておいた望遠鏡を覗き込んだ。
あらかじめ照準を調整しておいた望遠鏡を覗き込むと、すっと光るなにかが流れていく。
「あっ、流れ星だ」
尾を引いて流れる青い星は、まるで地上へ降ってくるかのようだった。
「……ん?」
天音は目を瞬かせた。
レンズの中で、青い光はみるみるうちに大きくなっていく。
そう、比喩などではなく、星が実際に降ってきているのだ。
天音は慌てて望遠鏡から目を離し、空を見上げた。
強風が吹き付け、夜とは思えないほどの光があふれる。目を開けていられず、天音は思わず目を閉じた。
やがて風が止み、光が収束する。天音はそっと目を開けた。
そこに立っていたのは、金髪碧眼に透き通る肌の、美しい少年だった。
「はじめまして。ぼくはチェロといいます」
落ちてきた少年
自己紹介しながら、チェロは優雅に一礼する。その姿はまるで、子どもの頃アニメで見た王子様のようだ。
「えっ……あ、どうも、ご丁寧に。あたしは……天音」
反射的に頭を下げた。天音の脳はまだ理解していなかったが、身体は礼儀正しく動く。
チェロと名乗る彼は、「よろしく、アマネさん」と言いながら天音の手をとった。握手したその手は冷たくもなく熱くもない、不思議な温かさを持っていた。
混乱する思考の中、一つ思い当たったことがあった。
まさか……。
ごくりと唾を飲み込んで、天音は口を開いた。
「あのさ、つかぬことを訊くけど」
「はい」
「もしかしてあんたって……宇宙人なのか?」
チェロと名乗った少年は一瞬きょとんとした顔をした後、にっこり笑った。
「そうですね。あなたたちの言葉で言えば、宇宙人かもしれません」
あまりの衝撃に言葉を失った天音をよそに、チェロはすっと上空を指さした。
「ぼくはここから遥か上空に浮かぶ空の国から助けを求めに来たのです」
「…………」
「アマネさん? 聞いていますか?」
「……あっ、うん。ちゃんと聞こえてるけど……ちょっと待ってくれないか」
天音は深呼吸をして、頭の中を整理した。
まずは状況の確認だ。目の前にいるこの少年は、宇宙からの来訪者。天音は今まさに、超常現象を目の当たりにしている。
次に、どうして彼がここに来たのかということ。助けを求めているということは、なんらかのトラブルがあったに違いない。
最後に、彼の言うことを信じるべきか否かということだ。
どれも判断材料が少なく、答えを出すには早計かもしれない。だが、目の前で起きていることは現実なのだ。否定しようにもできない以上、受け入れざるをえない。
つまり、結論として言えることはただ一つ。
「とりあえず……部室に来てくれないかな」
少女の願い
夜の教室に二人きり。
普段であれば緊張するシチュエーションではあるが、今はそれよりも好奇心の方が勝っていた。
「それで、チェロはなんのためにここに来たんだ?」
「はい、実は……」
空の国に住む人々はある日突然、謎の流星群に襲われた。原因はわからないが、彼らは為す術もなく星の欠片へと姿を変えていった。
国を守るはずの兵士たちでさえ敵わず、生き残ったわずかな国民たちは避難を余儀なくされた。
「たくさんの隕石が落ちてきて、多くの者たちが犠牲になりました。ぼくを逃がすために……」
そしてチェロが辿り着いた先が、この学校だったのだという。
「けど、どうしてうちの学校の屋上に? もっと安全な場所があるんじゃないのか?」
「えぇと……それは」
チェロは困ったように視線を落とした後、
「ここを目指していたわけではないのです。夢中で逃げているうちに、この場所へ落ちてしまって」
と答えた。
「なるほど……じゃあ避難先を探してるうちに偶然辿り着いたわけ、か……?」
「アマネさん。お願いがあるのです」
「あたしに?」
「はい。――ぼくたちを助けてほしいんです」
天音は首を傾げた。
「助けるって、具体的になにすればいいんだよ」
「簡単なことです。あなたがいつも見ている空にある星と交信してほしいだけです」
「それだけ?」
天音は拍子抜けして聞き返した。
「はい。星の声を聞くことができるのは、この星の上に住んでいる人間の中でもごく一部の人だけだと聞いています。その中でも特に、強い力を持った人だけが、星座の力を借りて遠くの星々と意思疎通ができるとか」
「まぁ、確かにそんな話聞いたことがあるような気がするけど……でもそれって、あたしみたいな普通の人間ができることなのか? その……いわゆる超能力的なやつ、だよな?」
「ええ、もちろん。ぼくたちにはその能力が必要なんです。どうか、お力を貸してくれませんでしょうか。代わりに、あなたの願い事を一つ叶えましょう。どんなことでもかまいません」
天音は思わず身を乗り出した。
「本当に、なんでもいいのか?」
「はい」
天音は考える。
「…………死んだ妹と、一度だけ、話がしたい」
天音の言葉に、チェロは「そんなことでいいのですか?」と目を丸くする。
「ああ。よろしく頼むよ」
「では、契約成立ですね」
天音はふと思いついて尋ねた。
「ところで、どうやって連絡取るんだ? スマホみたいに電話とかできるのか?」
すると、チェロは申し訳なさそうに肩をすくめた。
どうやら電波のようなものは存在しないらしい。
チェロは天音に向かって手を差し伸べた。
天音がその手を取ろうとした時、 ゴトッ、と大きな物音が響いた。
一触即発
二人は顔を見合わせて、窓の外を見た。
そこには、教室の入り口に立つ一人の少女の姿があった。
長い黒髪に、整った目鼻立ち。制服からして、同じ学校の生徒だ。
彼女が手にしている黒い物体を見て、天音は息を呑んだ。
あれは、間違いなく銃だ。
しかもモデルガンではない。本物の、火薬を使った本物だ。
彼女は冷たい瞳でこちらを見ていた。
「……チェロ」
「はい?」
「あたしの後ろに隠れてろ」
「え?」
「いいから、早く!」
「……わかりました」
チェロが後ろに隠れたのを確認してから、天音はすっくと立ち上がった。
彼女は入り口から一歩も動かず、ただじっと天音を睨みつけている。
「おいおまえ! なにをするつもりだよ!」
返事はない。
だが、彼女の持っている銃口がゆっくりと持ち上がった。
「動くなっ!!」
天音は叫びながら、机の上にあった鞄を手に取った。
「…… 」
しかし、彼女からの返答はなく、ただ静かに引き金が引かれた。
バンッ!
乾いた破裂音とともに、目の前の空気が弾けた。
「うわあっ!」
間一髪、床に転がるようにして避ける。
天音は鞄を振り回しながら、彼女に突進していく。
「このぉーっ!!」
振り下ろされた鞄が、彼女の頭を捉えようとしたその時。
「……え?」
天音は足を止めた。
なぜなら、彼女が笑っていたからだ。
「――――――――」
彼女はなにも言わず、再び天音に発砲した。
バンッ!
「うああああっ!!」
天音は悲鳴を上げ、その場に倒れこんだ。
「アマネさん!」
蒼白な顔のチェロが駆け寄ってくる。
「大丈夫ですか!?」
「あ、あ……」
天音は自分の身体を抱きかかえるようにして、震えていた。
撃たれたところが熱い。痛いというよりも、まるで煮えたぎる熱湯をかけられたかのような感覚だった。
(なんなんだよ……これ……)
彼女はまだすぐそばにいる。
彼女を捕まえて、銃を取り上げなければ。
いや、今のうちにここから逃げなければ。
天音の天秤は幾度も揺れ動きながらも、最終的には前者へ傾いた。
「…………あいつを……捕まえないと……」
天音はよろめきながらも、なんとか立ち上がる。
「待ってください。そんな傷じゃ無理です! アマネさんはここにいてください」
「でも……あいつをほっといたら……」
「いいえ、だめです。ぼくが……やります」
ゆっくりと立ち上がったチェロの身体が、青白い光を帯びていくのを、天音は霞んでいく視界で捉えた。
「……おい、まさか……」
天音が尋ねると、チェロはにっこりと微笑んだ。
「願いを叶えます――この命と引き換えに」
チェロが自分の胸に手を当てた瞬間、彼の胸元から青い光が溢れ出した。
それは瞬く間に広がっていき、辺り一面を覆っていく。
やがて、天音は意識を失った。
別れの時
「……ん?」
次に目が覚めた時、天音は真っ暗な部屋の中にいた。
どうやら保健室のベッドの上に寝かされているらしい。
「ここは……どこだ?」
上体を起こして、部屋の中を見回す。
すると、足元の方から声が聞こえてきた。
「気が付いたんですね、よかった……」
「え?」
見ると、そこにはチェロの姿があった。
「……おまえ、生きてたのか」
「はい、残念ながら」
「そうか、よかった」
「……よくありませんよ」
「え? どうして?」
「だって、あなたはもう二度と空の国へは行けなくなってしまったのですから」
「……え?」
「ぼくの命と引き換えに、あなたの願い――あの女を捕まえるという願いを叶えるはずでした。ですが、なぜかその力が発動しなかった。彼女はどこかへ逃げていきました」
「そ……そうなの……か?」
「はい。おそらく、あの銃のせいでしょう。あれは『星を撃ち落とす』ために作られた特別な銃なのです」
「……マジで?」
「ええ、大マジです。だから、ぼくはこうやって生きている。でも、その代わりに、あなたの願いは永遠に叶わないことになってしまった」
「……」
「本当にごめんなさい」
チェロは深々と頭を下げた。
「……まあ、気にすんな。チェロが生きててよかった……けどチェロ、願いがあんたの命と引き換えだなんて知ってたら、あたしは願い事なんかしなかったぜ」
「アマネさん、あなたは優しい人ですね」
「は? なに言って……」
「だから、どうか、これからもずっとそのままのあなたでいてください」
さようなら、アマネさん――。
チェロは一礼し、天音の制止を振り切って部屋を出て行った。
エピローグ
「……行っちまった」
一人残された天音は、窓の外を見た。
雲ひとつない夜空が広がっている。
「……なあ、チェロ」
天音は呼びかけてみた。
だが、返事はない。
「……」
天音は立ち上がり、部室を出た。
廊下を歩き、階段を下り、昇降口へ出る。
「……」
外に出ると、冷たい風が吹いていた。
天音はしばらく空を見上げながら立ち尽くしていた。
「……寒っ」
そして、ようやく我に返った。
「……帰るか」
天音はそのまま正門へ向かい、自分の家へと帰ろうとした。
その時だった。
「アマネさん」
「うわあああっ!」
突然背後から声を掛けられて、天音は思わず飛び上がった。
振り返ると、そこにいたのは、つい先ほど別れを告げたはずのチェロだった。
「び、びっくりした……。帰ったんじゃなかったのか!?」
「いいえ……催しただけです」
「まぎらわしいことすんじゃねえ!」
「アマネさんは、こんなところでなにをしているんですか?」
「なにって、べ、別になにもしてないさ。ちょっと星を見てただけだ……それより、チェロはこれからどうすんの?」
「……あなたと一緒にいます」
「は?」
「ぼくはあなたのそばを離れません。これからはずっと、あなたの隣で生きていきます。それが、ぼくに残された唯一の生きる目的なのですから……」
「それって……どういう意味だよ?」
「言葉通りの意味です」
「……あたし、チェロのこと嫌いじゃないよ。チェロがここに残るんなら、それでもいいかなと思う。だけど、あたしはチェロのことを何も知らないし……」
「ぼくは、アマネさんのことを知ってますよ」
チェロはにっこり笑った。
「あなたは優しい人です。それに、とても可愛い。ぼくはあなたのことをもっと知りたい」
「か……っ、可愛くなんかねえよ! ……ま、まあいいや。とりあえず、うちに来い。詳しい話はそこで聞くから」
「ありがとうございます」
「……別にお礼言われるようなことじゃねえし」
踵を返す天音の手を、チェロが掴んだ。
「あの、手を握ってもいいですか?」
「は? なんで?」
「いえ、その……ぼくは今まで女性の手を握ったことがないもので……」
「……好きにしな」
「はい」
チェロは嬉しそうに天音の右手を握った。
こうして二人の不思議な日常が始まった。
二人の出会いが、やがて世界を変えることになるのだが――それはもう少し先の話である。
あとがき(自動生成)
いかがでしたでしょうか。
『星を撃ち落とした少女』はここで完結となります。
ここまで読んでくださった方々、本当に感謝しております。
もしよろしければ★評価の方もお願いします。今後の励みになります。
マジのあとがきと感想
プロローグは人力、以降は共作です。辻褄の合わないところや展開が進まないときなどに人力で修正しました。
「星を撃ち落とした少女」というタイトルがダブルミーニングっぽくてすごくいいですね。自分で考えるタイトルよりいい。
銃を持った少女がいきなり出てきてたまげました。銃刀法違反!
主人公が銃にまったくビビらないうえに銃が本物とすぐ分かったのもすごい。何者?
おもしろいのでぜひやってみてください。